EP『スケープ』完成にあたって(ヤッチボーイ)
長い長い長い道の途中で
小学生・中学生・高校生・大学生・会社員、歩いてきたいくつもの景色の中にたくさんの可能性があって
それも振り返らずに歩いてきて、知らないことをいくつも知らないままにして
それでも俺は常に信じてきた方向に向かって歩いて
でもそれも今は疑って疑って、でも引き返す道などもう消えていて、それは背後でもわかるけど、
家族がいて、友達がいて、自然があって、歌があって、でも震えるような怒りはなくて、飛んでいけるような幸せもなくて、燃えるような愛もなくて、ハラハラもなくて、絶望もない
どうでも良いことで時間を費やして得体の知れない金を稼いで、動けないままこのよくわからん場所に縛り付けられたような気になって、帰れない
帰れない!!!!!
音楽をいつまでも続けたい、たくさんの重要な意味を俺は音楽によってこの世界に残して歩きたい、風に消えない足跡を
本当に?心からそう思っているのか?本当に心から?
半分そうで半分違う
半分はまだ全然そう思っている
でももう半分は、帰れないんだもう
帰れないから進むしかないんだ
通り過ぎてきたいくつもの光、それはもう手にすることはできないのだ
今まだ幸運にもまだ大切な宝物は残っている、それを手放すことは死んでも無理だ
友達がいて歌があって
これなしじゃもう進めない
哀れな人間だと思う人もいるだろうし、なんだよ全然幸せなやつじゃん私を見てみなさいよと思う人もいるんだろう俺のことを
わかってるよ!
当然そんなこと関係なく俺は進んでいくよ
このままいけば光は消えるのか、知らないよそんなこと!
聴いてほしい、才気に溢れかえったビンビンの音楽でもなければ燃え上がる熱狂でもない
ただ俺一人が完全にいる、その中にめちゃくちゃ生きている
俺は閉じようとする未来に今手を突っ込んで時間を稼いでいるんで、力を貸してほしい!!!!
kulakula - EP『スケープ』
牛戦車の文通#2(田澤・不様編)
田澤寿詩
Hello!!不様編。どうしてる?元気か。
今日は11月15日23時21分、はじめての試み。
今年の冬はボロボロの革のブーツ履くよん、
服について、もちろん靴についてもゆっくり話してえ。なんかさ、
どんな服欲しいかはいつまでも話せるけどな!
Nice Album.
ずっと流れてるのはパイレーツオブカリビアンのサントラだな。
子どもの頃は特に再生環境があまり良くなかったのもあって、
具体的な曲で言えばアクモンのSnap out of itはずっといる。PVも含めてこういう感じになりたいって思っ
今が11月19日。もっとやってきたい。これ。
あ、次会った時インタビューやりたいな、普通に。
田澤寿詩

牛戦車の文通#1(田澤・阿部)
トイストーリーの曲をダイアモンドユカイが歌ってるんだね。
実家でもスリッパを履く習慣がなくて、考えもしなかったな。そんなに高評価なら一足買ってみるよ。
バイト先の近くの美味いうどん屋なんだけど、
俺は普段金がないから冷たいかけうどんを頼むんだけど、
田澤寿詩
くすんだ茶色の髪の毛の少女に起きたこと
母は大声で怒鳴る 「ダメ!」
父は少女に言う 「行け」
しかし彼女には友達がいない
それで少女は水底のような孤独な夢の中を歩いてゆく
一番スクリーンがよく見える席へ
そして少女は映画に心を奪われたのだ
しかし映画は悲しいぐらいに退屈
少女が10回、もしくはそれ以上繰り返してその中で生きるには
ダンスホールで喧嘩をしている水夫たち
おお、あの洞窟に住む人たちを見て
実に奇妙なショーよ
ほら、保安官を見て
違う人を殴っているから
ああ、いつか彼も気づくだろうか
自分がいちばん売れてるショーに出てることに
“火星人はいるの?”
っていう
合衆国は眉をひそめている
かわいいミッキーが大きな牛になっちまって
労働者たちは名誉をかけてストライキに入る
レノンが再ブレークしたからだ
百万ものネズミ色の人の群れ
イビサ島からノーフォ-クのブローズまで列は続く
「ブリテンをひとつに」の掛け声はもう終わり
母さん、うちの犬、そして道化たちも言わなくなった
映画は悲しいほど退屈
なぜって自分が10回、もしくはそれ以上も夢で書いたものだから
それが今再び書かれつつある
僕がキミに「映画に集中しなさい」と言う時に
ダンスホールで喧嘩をしている水夫たち
おお、あの洞窟に住む人たちを見て
実に奇妙なショーよ
ほら、保安官を見て
違う人を殴ってるよ
ああ、いつか彼も気づくだろうか
自分が今いちばん売れてるショーに出ていることに
“火星人はいるの?”っていう
そんなことよりカレーうどん食べたよ。豚肉、うどん、カレーの組
上がり光ラジオの自己紹介については編集時に俺も気付いたよ。す
汁に侵されるスレスレで食う「天ぷらうどん」
そのときサクって音するじゃないですかあ!
その音は頭の中で鳴ってんだっつーの。なあ。
わかる?脳の中心にある扉の天ぷら。その小さな鍵穴に
スレスレで
瞬間の季節が
入っていく音!
今日は久しぶりに子どものいない休日だ。早朝歯医者に行って一旦
カレーうどん美味しくてよかったね。
仕事時の俺の昼飯について言うとほとんど毎日カレー。いろんな種
考(幸坂)
竜巻を何等分すればそよ風になるか考えてみたことはあるだろうか。
もちろんそんなこと無くても構わないんだ。
これは最近踵が乾燥してきたかもしれないなと考えるのと同じくらいの存在感の無さだ。
何か特別なきっかけでも無ければ当然考えることはない。
私ですら昼寝は時々になってしまったこの世の中、考えるきっかけとしてわかりやすいものである細切れの竜巻と出会う機会など無いのは皆わかっていることだ。
しかしたった今、それを考えるきっかけに直面していることを気付いているだろうか。
真夜中のサバンナでだろうと夜全般のソファの背もたれでだろうとも、このきっかけに直面した場所や時間は人それぞれだが、とにかく君は直面したのだ。
そして気付いたとなれば一刻も早く行動すべきだ。それはもちろん後ろを歩く奴が次の一歩を踏み出すより早くだ。
竜巻を何等分すればそよ風になるかはそう簡単にわかるものではない。欠伸の間にわかる奴でもいたらそれは産まれた時に竜巻御輿と名付けられているはずだ。
一人で考えていると必ずどこかで行き詰まる。
だから他の、竜巻を何等分すればそよ風になるかを考えてる人と話し合う必要がある。
学年主任や大工さんじゃあるまいし協力しろとは思わない。ただ話し合うだけでいい。
色んな知識も必要だろう。学ぶべきだ。そうしないとあそこでまた行き詰まる。
これを考えていると他の数々のことも考えていることに気がつくだろう。竜巻を何等分すればそよ風になるか考えるだけで別のことを考えるきっかけが発生している。
こんなに大事である竜巻を何等分すればそよ風になるかを考えるきっかけに直面する機会は平等ではないが、このきっかけのきっかけは、そのきっかけのきっかけは、そのまたきっかけのきっかけ、またまたきっかけのきっかけ、と遡っていくとミミズの歩幅だが平等に近づいているのだ。
だから益々気合いも入っていくだろう。
そうして竜巻を何等分すればそよ風になるか考えていると、この考えの存在感は、隣家のおやじが噴火寸前ではないかと考えることと同じくらいだというところに行き着くだろう。だがそれはまるで違う。
ならばと、隣家のおやじの軍手が左右異なるのを考えるのとは同じくらいだと感じたかもしれないが、それも細かく根気よく掘っていくと違うんだ。
正しいと感じたものも少し見方を変えればてんで違うものになるし、違うと感じたものはいくらどうしたってとことん違う。
限りなく正しいものに近いとしてもそれは違うし、それを基準として隣々と寄せていっても到底正しくはならない。
そんなものには囚われず、大きく踏み込んでみよう。そしたら逆方向から奇襲をかけられるはずだ。
いっそのことオーロラソースについて考えるのと同じくらいというのはどうだろうか。
違うと思うのならそれはまあ仕方がないこと、ならば自分で考えていくしかない。最初からそれしかなかった。
そうやって竜巻を何等分すればそよ風になるかと考えることに存在感の近い考え事を何回も繰り返し考えてこれからは日々を過ごしていくわけだな。
竜巻を何等分すればそよ風になるかということはどこまで突き詰めて考えても、竜巻を何等分すればそよ風になるかという答えにしか辿り着かない。
他のものに辿り着くようならそれは間違いだ。
MGMT - Mother Nature 和訳(ヤッチボーイ)
MGMTの新曲 "Mother Nature" がリリースされましたね!
MGMT - Mother Nature (Official Music Video) - YouTube
2、3年前にMGMTが好きになった僕にとっては初めての新曲リアルタイム聴きだったので、すごいワクワクしました。
それで聴いてみるともうめちゃくちゃ良くて、僕の中でかなり上がっていた期待値を思いっきり蹴り付け、はるか上の最高さで握手してくれて、何回もMV見ています。
今のところ多分適当な翻訳ソフトに入れて機械的に訳しためちゃくちゃな和訳しかなかったので(僕の確認できる範囲では)、書いてみました。
結構意訳してとっているので、ここ違うんじゃないかとかの意見があれば "hesitation" せず、コメントしていただけると助かります。
来年のアルバムが楽しみすぎますね!
Mother Nature - MGMT
I put the groceries down on the front lawn
and think maybe the children just want recognition
I wrote the fairytale on a midnight drive
Wanting to know if I’m more than alive
I torched the fields again
Killed an honest man
Now I understand Mother Nature
Watch me running head-first into the thorns
It’s like the lights are off but somebody’s home*
Unwrap that tourniquet ‘round the sun
Turn those subtle reds into neon
You’ll see the difference when it’s done,
But I understand your hesitation
Come take a walk with me down billionaire’s row
Trying to keep our balance over zero
We’ll write the fairytale for the rest of our lives
Throwing the trash away one more time
Holding on to Love like a stone
Melting down today for tomorrow’s
Covenant of the heart
You know it’s turbulent from the start
And I understand it’s not your nature
But you need a friend
To take you home
You’ve got to begin again
To open castle gates and let me go inside
and taste the bitter tea that won’t let you hide
Then we can take away as much as we can steal
Break all the precious bones before the guards appear
Before the fantasy is cast into the fire
And strike the temple bell to resonate
The Covenant of the heart
You know what comes right after the dark,
But I understand your hesitation
草原に踏み出す、食糧はここに置いておく
僕は思う、子供たちはただ気づいてほしいだけなんだと
真夜中をドライブしながらおとぎ話を書いた
僕はただ生きているだけか、それともそれ以上のことなのか知りたかった
畑にまた火をつけ、正直な自分を殺した
そして今 ”Mother Nature” とは何かを知る
茨の中に頭から突っ込んでいくのを見ていてくれ
明かりは消えているのに誰かがいるような*
太陽の周りの包帯を外し、こぼれた絶妙な赤色をネオンに変えるんだ
そしたら君も何かが違うことに気づくだろう
でも君は躊躇っている
億万長者たちが列を成している、僕らはそこを歩いていこう
何にも傾かないようにバランスをとりながら
そしてこれから先、おとぎ話を書き続けよう
もう一度ゴミを捨て去りながら
石標のような愛にしがみつき溶かされている、
胸の奥で立てた明日の誓いのために
君はわかっているんだろう
最初から大しけの中だってことを
そして僕はわかっているんだ
今は本当の君ではないってことを
でも君には友達が必要なんだ
またやり直すことができる、
そんな拠り所に連れて行ってくれる奴が
城門を開き、僕を中に導いてくれ
そして君をどこにも隠さない、苦い紅茶を飲ませてくれ
そしたら僕らは、持ち帰れるだけ持ち帰って、
あらゆる貴重な骨を打ち砕くことができるのさ
護衛がやってくる前に
幻想が火の中に投げ込まれる前に
そして神殿の鐘を鳴らし、
胸の中で誓いは震える
暗闇のあとに何が訪れるかわかっているんだろう
でも君は躊躇っているんだろう
* The lights are on but nobody's home :「明かりはついているのに、誰も中にいない→頭の中が空っぽだ」と言う慣用の言い回し、の逆。この部分は意訳しなかった。
お見舞い(幸坂)
夏風邪か季節の変わり目風邪か定かではないと噂になっていた町田から体調の不調を教えてもらったのは一昨日のことだ。電話の町田は大層別人で、鼻が詰まった声も喉が腫れた声も誰のどの声か分かったもんじゃない。電話のやりとりを思い返すに町田はどうやら具合が悪く、四回から六回程寝返りをうつと額の冷却シートを貼り替えるという自己看病を家にてコツコツと繰り返し行っているようだ。昨朝、私は町田について考え始めた。考え終わった結果、お見舞いに行くことを決めたのは昨朝を過ぎる頃だった。綱引きをしても、うたた寝をしても、ちらし寿司を食べても快適であろう服装で私は見舞い立とう。
右目と左目それぞれに映りやすい自動販売機の数を競わせ歩いていると町田の家はすぐここだ。ペットボトルが積み重なって偶然にもできてしまったであろう等身大のそれに立て掛けてある町田の自転車は所々錆びていて、時の流れの速さの追体験を誘ってくる。撫でるように軽く踏まれてあったタンポポが指したその先には都合ついでに日当たりもよく町田の部屋があった。町田の部屋番号については定期的に耳にしてしまうので私が忘れることはない。些か緊張感の滴ったドアノブを撚ると鍵がかかっていた為かドアは開かなかった。これは意外にも幸運だった。開かないドアをガンガンと音立て引く度に私の頭の中で、手土産というものが鮮明を目指し双六してくるのだ。一着の賞品なのだろうか、握っているドアノブ以外は何も所持していないことを悟ることができ、瞬時に私は手を離した。町田としても手のひら丸見えの私と鉢会わせることを避けられて良い思いをしただろう。手だけを見れば裸一貫の私には町田の家など用はない。ここ、もしくはここいらで時間を潰すという選択を迫られようとも、私は力の限り精一杯抗うとの意だけは腹に忍ばせて来ているので、申し訳ないが帰宅する。一歩二歩、手も使うのならば倍の数だ。
帰り道とは行き道と風景も暗さも異なるものなので、細かく振り返って行き道と以前は同じ道だったのかを確かめて歩かなければならない。地蔵像の後ろ姿など滅多に見かけないものも見れる。帰り道とは天気も異なるので雨が降ってくる。生憎、傘は持っていないので極力濡れないように小走りに切り替える。天気予報を綴ったハガキを至る所の電子機器に貼りそれを寸分も許さず見なかったとしても、町田への手土産として傘を持ってくる機会はこの道中思い返せば幾らでも落ちていただろうに。今すれ違っているこの裁判所は家まではまだ遠く、道すがら雨具を買えばいいのだがどうせ家へ帰るのだから雨具より上質な手土産を家で見繕う方が町田向きだ。勢い余って家を通り過ぎ海浜公園に着いたが人が少なくて寂しい場所だった。
家には隣家の蚊取り線香の匂いが充満していて、我が家の蚊取り線香の香りは押し負けた。手土産には安眠道具の小さなプラネタリウムとデラウェアを持っていくことに決めたが、少々物足りなく感じる。この水に塗れた腕ではシフォンケーキのような水を吸ってしまう物は荷物になるので持っていくことは叶わない。家にある他の物には渡されて福が来そうな物はないので町田の家に着くまでに何か相応しい手土産を掴み取ろう。雨のせいで水に濡れて凍えた手の震えで天井のプラネテリウムは激しく揺れ、茎から取れたデラウェアの粒が床を跳ね、屈折した赤紫の光や丸い影を踊らせる。今、体を温めたり乾かしてもまた外に出てどうせ濡れるのだからこのまま辺り一面美しく歩いていくだけだ。
日付が変わって昨日二回目の町田のお見舞いが途中で終わり、今日初めての町田のお見舞いが途中から始まった。バケツで水を年中掛けられているように濡れているため濡れることはない。しかし風が吹いてくると話が違う。風で私の水は吹き飛び、町田の家に着くまで絶え間無く新しく濡れた。
町田の家のドアは濡れていた。濡れたドアノブを握ると手が濡れた。ドアをガンガンと音立て引く度に濡れたドアから水が跳ねて顎が濡れた。そうしてると徐々にドアノブを捻っていたようでドアが開いた。こんな夜中なのに町田はいつからか鍵を開けてそのままにしていたようだ。
町田の寝息は雨音が弱まった期間にしか聞こえないが、部屋に居ることを確認できたため一つ肩の荷が降りた気分だ。真っ暗な部屋の中では町田の居場所がわからないので部屋中の明かりをつけると、町田はやや手前で寝ていた。プラネタリウムは部屋が明るいせいで何も見えないが次の夜には見えるだろうからつけておこう。すぐさま町田の風呂を借りるが町田は数日寝込んでいるためお湯が溜まっていない。お湯が表面張力を発するまでの時間を濡れた人が部屋にずっといると町田が濡れて風邪が長引くので、外で時間を潰すしかないがどうせこの後も風呂で濡れるので早いか遅いかだ。
風呂は自分の身体の大きさと同じ程お湯が溢れた。手土産でシャンプーを持ってくればいつもと同じシャンプーを使うこともできたんだ。お見舞いに来て風邪を引いたんじゃ世話がない。風邪を引いた私を見たら町田はきっと自分のせいだと思ってしまう。風邪の嫌なところはお見舞いに来た人に移してしまうことだ。町田が気を病んで風邪が治らなかったら嫌なもんだ。